ウ ド
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ウド
<ウコギ科タラノキ属>
●主な栽培地 小川町 渡辺町など
ウドは北海道から九州まで全国の山地に自生しており、フキ、ミョウガ、ミツバなどと並ん で日本原産野菜のひとつです。
ウドの歴史は古く、平安時代から身分の高い宮人の間で食されていたという記録が残ってい ますが、この頃のウドは少々アクが強かったようです。もともと山菜であるウドをより身近に 楽しむために、本格的な栽培が始められたのは江戸時代後期、現在の武蔵野市周辺だったとい われています。
いわき市には、もともとの個性である山菜らしさを残して栽培されている「山ウド」「赤ウド」 と、畑に掘られた大きな穴の中に伏せ込んで人工的に全身を軟白化させた「白ウド」の2つが あります。
今でこそ、栽培件数の少ないウドですが、昭和30年代には小川や泉など、水資源の豊富な 地域で盛んに栽培されていました。軟白化するのに手間はかかりますが、比較的高価な値がつ いたため、農閑期の換金作物として重宝がられていました。
生産の歴史的由来
渡辺町 小川
↑土の中で軟白化させた白ウド(小川町)
ウ ド
7 土の中で軟白化させた「白ウド」と山の ウドの野性味を残している「赤ウド」。こ の両者を栽培している小川町では、かつて
「子どもが学校にあがる時はウドを作れ」 といわれるほど、早春の貴重な換金作物と して盛んにウド栽培が行われていました。 もともと養蚕を営んでいた農家さんが、ウ ド栽培に鞍替えしたケースも多く、農閑期 の労力を有効利用しながら、一時は仙台か ら買い付けに来るほどの盛り上がりを見せ たウドの栽培も、今では数軒を残すのみと なり、その中でも市場に出荷できる収量を 確保しておられる農家さんは、わずか1軒 となってしまいました。
まず、収穫を終えたウドの根株 から、 古い弱った根を取り除き、5月中旬~6月 上旬に畑に定植します。地面から新芽が顔 を出したら、株と株の間に野菜配合肥料を 施し、草引きをまめに行います。夏から秋 にかけてのウドの生育は著しく、「うどの 大木」の名の通り、大きいもので草丈が2 mを超える頃には、葉が生い茂り畑に入れ ないほどになります。この時期に、ウドは 土の中の肥やしを吸い、茎や葉から太陽の 光を取り込み、翌年また良いウドが採れる よう、株いっぱい養分で満たします。
7月下旬からは白い花をつけ出し、その 花が熟して紫色に変わる頃になると、茎や 葉はその役目を終え徐々に枯れ始めます。
空気が冷たくなり、お正月を迎える準備 が始まる12月下旬、ウドを株ごと土から おこし、茎と葉を根元で切り落とし取り除 きます。
こうして養成された根株を、畑の中に 掘った長さ10m、幅3m、深さ1mに及 また、畑のすみで自家消費用にわずかな収量を確保している栽培者も非常に多く、そのほと んどが先代や先々代からの根株を継承しています。
普段山菜として紹介されることの多いウドですが、畑で栽培される春の香りも山のものに勝 るとも劣らない魅力ある作物といえます。
小川町
土の中で春を待つ、白うど・赤うど。
白ウドの栽培方法
ウ ド
8 きっかけは親族から食用にとウドを分け てもらったことだったという渡辺町のウド 作りは、昭和30年代から始まりました。 ウドの栽培を始めた頃は、良いウドを収 穫するまで四苦八苦しましたが、もともと 篤農家であった栽培者は、ウドをよく観察 し、早生、中間、晩生種を見い出し、土地 柄に合わせた栽培法をよくよく研さんし、 現在の露地栽培を採用するに至りました。
最初は米袋1袋分程度だった数本のウド が、株分けにより年々増え、今では優に千 株を超え家の周囲の畑を埋め尽くしていま す。
植えっぱなしの根株から、春先に新芽が 伸び20㎝ほどになったところを、根元で 切って収穫します。
収穫後、特に根株を掘り起こすことはせ ず、そのまま生長させます。草丈が大きく ならない内は、分岐した枝先の新芽を摘み、 お浸しや天ぷらにして食べることもできま す。春先のウドの香りそのままに 7 月くら いまで楽しめます。先述の小川町のウドが軟 白化なら、このウドは緑化というのが近いか もしれません。
ぶ大きな穴の底に並べ、もみ殻や稲藁を敷 き詰めて表面をビニールシートで覆いま す。こうして防寒対策が施されたふかふか のベッドで、ウドの根株は春を待ちます。 3月下旬、シートをめくると真っ白なウ ドの先端が少しだけ顔を覗かせています。 白ウドは皮が軟らかいため収穫は全て手作 業で行われます。1メートルの穴を掘り起 こし、ウドを外に出す作業は容易ではあり ません。また長時間光に当てるとたちまち 変色し、せっかく手間ひまをかけて軟白化 したのが台無しになってしまうため、早朝 や夕方の限られた時間帯に忙せわしい作業を余
儀なくされます。
こうした大地の恵みと人の手により、1 年をかけてようやく香り高い白ウドが収穫 されるのです。
渡辺町
山ウドの香りそのままに、露地栽培で逞しく。
栽培方法
ウ ド
ウドは、夏の間に生長を遂げ、言葉にある通り「ウド の大木」と化します。10月に入り、秋の気配とともに ウドの茎葉が茶色くなってきたら根元で刈り、1 回目の 土寄せを行います。もともと、休耕地を荒らさないため に始めたという経緯もあり、栽培にかける手間はさほど 多くはありませんが、長年植えっぱなしの株は肥えてお り、脇芽も出ているため、作業は全て鍬による手作業で、 これは想像以上に重労働です。
3月になったら再度土寄せを行い、この際野菜配合肥 料を施します。この追肥は、収穫前の発芽を助けるため というよりは、収穫後の株の生育を促すためのものです。 茎葉が畑を覆い尽くしている間は畑に入ることができな いため、追肥はこの時期に済ませてしまいます。
根株が長年植えっぱなしとなることで、中には根株が 疲労してウドが細くなったり、一つの根株から出る新芽 の数が減ってしまうこともあります。その場合は、一度 根株を掘り起こし、新芽が育っている良いところのみを 残して土に戻します。根株の植え替えを行った場合は、 1~2年収穫を控え、根株を十分養成し、3年目くらい から収穫するようにします。根株の植え替えの目安は6
~7年くらいです。
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◆新芽のおひたし
ウドの新芽は、同じ春の山菜であるタラの芽と 同様、天ぷらにして食べるのが一般的ですが、お 湯でサッと茹で、めんつゆやマヨネーズをかけて 食べると、独特の苦みと香りが口いっぱいにひろ がります。7 月まで楽しめるウドの新芽。栽培者 のお宅では、マヨネーズとソースを混ぜ合わせた 特製のたれで、しばしばビールのおつまみに登場 します。
↑露地栽培のウド(渡辺町)